実相院にてかなしき恋歌

  - かへるすがたを見むとおもへば きりがの 朝霧の -


f0001378_22351834.jpg今日は私の敬愛するリンボウ先生に会う為に、京都の岩倉まで行ってきました。
「菊籬高志堂」という読者クラブがあって、長い事ここの会員なのです。
年に数回、先生の講演を拝聴したり、音楽会に赴いたりするファンクラブのようなものですが、そのほとんどが東京で行われるため、滅多に足を運ぶことが出来ません。
でも2年に一度、京都で催されることがいつのまにか決まりごとになってます。



最初は、清水寺の成就院、二度目は青蓮院と続き、前回の東寺から2年。そして今年は、岩倉実相院でまで足を運ぶこととなりました。
昨日までの春らしい陽気とは打って変わり、肌寒い小雨の降りそぼる日となってしまいました。しかも洛北とあっては、気温も違います。ことさら寒く感じます。
雨の京都も風情があっていいんですがね・・・。


f0001378_22353833.jpg実相院は、天台宗寺門派の門跡寺院で、770年以上の歴史があります。
門跡寺院とは、皇族の親王が住職を努めた由緒正しきお寺のことです。(内親王の場合は、門跡尼寺といいました)
大宮御所の一部を賜ったため、珍しい女院御所の佇まいの残る風情のあるお寺でした。
狩野派の襖絵や障壁画が数多く残っていて、小さいお寺ながらも文化財そのものといった具合でした。
「実相院日記」は非公開ですが、古文書がいくつか展示してあります。


f0001378_2237788.jpg菊籬高志堂の「社中会同」(今日のような集いのこと)に参加する最大の魅力は、普段は非公開の場所や展示が見られることにあります。
今回も、執事の方の案内で、普段は襖が閉じられたままの高座や、狩野探幽の杉戸絵を拝見することが出来ました。

f0001378_22372335.jpg中庭も見事でしたが、石庭もなかなかのものです。山桜、枝垂桜と植わっていて、春になったらもっと綺麗なんだそうです。ある女子高の修学旅行では、ここに好きな絵をかける催しをするんだそうです。懐の深いお寺ですね。
床紅葉も見てみたいと思いましたが、
「多くの方が来られて大変嬉しいんですが、床が痛むので良し悪しなんですよ」
と苦笑いなさった執事さんに、思わず納得。なにしろ古い建物ですからね。


f0001378_2239486.jpg講演の前にまず昼食。非公開の書院での食事となりました。
私と友人は、先生の前に陣取りました(^-^)
いつものごとく先生の両脇が空くんですが、正面に座った方がお顔がよく見えるのです(笑)
食べ始めことろへ、先生がようやく到着!
今日もお素敵~♪
先生は車の運転がお好きなので、今回も遥々東京から愛車を駆ってこられたのでした。
「ナビが途中から『この先は二輪車しか通れません』なんていうから、迷っちゃいました」
ここまではバス道であるにもかかわらず、狭いですから無理もありません。
「今回も雨ですね」
と徐に仰いましたが、先生は有名な雨男! 前回の東寺も雨でした(笑) 


f0001378_22385044.jpg大徳寺の方から取り寄せたお弁当は、大変美味でございます。出し巻きたまごが絶品。
鮑まで入ってる豪華な松花堂でした(私の鮑はちっちゃかった・・・)
穴子と短冊に切った山芋をポン酢で食べるのは、思いの外美味しくて、友人と二人で感嘆してました。


f0001378_2240676.jpg昼食の後に、お寺の方の案内で拝観し、いよいよおまちかねのリンボウ先生の講演です。
贅沢にも、探幽の杉戸絵(裏側の「松に藤」のある間です。普段はもちろん入れません!
今日のお題は『歌の詩をめぐって』。
「城ヶ島の雨」という歌をご存知ですか?
北原白秋の詩による歌曲ですが、私は恥ずかしながら知りませんでした。
先生は、「若い証拠」と笑ってらっしゃいましたので、一安心です(爆)
まず城ヶ島もどこにあるか知らなかったし・・・。三浦半島と言われても、頭に地図は浮かびますが、風景が浮かびません。(歌詞については、こちらをご覧下さい)
この頃の白秋は、姦通罪で捕らえられたこと、その相手とやがて結婚したものの、自分の家族とそりが合わず、やがては妻が出奔してしまったこと。
先生の巧みな話術によって、それらのことが実に面白く語られていきます。
こんな講義だったら、毎日でも受けたい!
この声がまたいいのよね~(うっとり)



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先生によると、この歌は女性の視点からの歌で、去っていく恋人を見送りながら涙に暮れる物語なんだそうです。
通い婚の時代から、女はじっと男の訪れを待つもの。そして男は夜明け前に必ず帰ってしまうものなのです。
歌の舞台となった三崎は、風待ちの港として栄えたため、このような光景が数多繰り返されていたことでしょうね。
ちなみに「おとずれ」という言葉は、男が女の家を訪ねた際の、戸をたたく音から来ている言葉なんだそうです。
「およる」という動詞は、「男が寝てる」さまをさす言葉だとか、知らない男女の機微が満載です。
そんなこんなであっという間に時間が過ぎ、講義は終了。
最後は、本にサインを頂き、一緒に写真を撮っていただきました(^-^)


f0001378_22403273.jpg一日中正座をしていたために、すっかり足がしびれてしまいましたが、先生にいいものを教えていただきました。
能舞台で実際に使われる座椅子です。コンパクトに折りたためて、しかも自由に左右に動きます。
お願いして(厚かましい・・・)座らせていただきましたが、ほんとに座り心地が良い!
装束の袂に入れられるサイズなこれは、国立能楽堂の近くでしか売ってないそうです。ううっ(泣)
厚かましいお願いにもかかわらず、優しく説明をする先生の笑顔がたまりません♡♡♡


寺院の趣もさることながら、お寺の方も皆さん気さくで親切な方で、ぜひまた訪れてみたい京都のひとつとなりました。
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Commented by shoichi at 2006-03-12 23:23 x
読書や講演は置いといて、なかなかいい雰囲気のお寺だね。平日の訪問客が少ないときに行ってみたいね。実相院ね、覚えとこ。
...にしても、あの先生。やっぱりどこかのオヤヂにちょっと似てるかも...。
Commented by ゆーこ at 2006-03-13 10:52 x
リンボウ先生だ~~~!
ロッタちゃん、楽しんできましたねぇ。
非公開の書院での食事。。。なんて贅沢なの~~っ!!!
一番最後のお嬢さんは誰でしょう。
こっち振り向いた時に「ゲッ…!」って顔だったらどうしよう(曝笑)
Commented by ココ at 2006-03-13 21:40 x
よ!後ろ姿美人!!

早速アップしてる~。えらいなぁ・・。
こちらは今から書くとこです。
あ、でもその前に画像圧縮して貼りなおさなきゃ。
重くて画面凍ったよ(T_T)。
がむばりマス0(>_<)0!!
Commented by gogolotta at 2006-03-13 22:17
☆shoお父さん
いい雰囲気のお寺でしたよ。新緑や紅葉の季節は混雑するそうですが、普段はそんなんでもないそうです。
ぜひ一度行ってみて下さい。
Commented by gogolotta at 2006-03-13 22:18
☆ゆーこちゃん
なかなか贅沢な一日でした。「ゲッ・・・!」ってなんやねん(--;
Commented by gogolotta at 2006-03-13 22:19
☆ココちゃん
いらっしゃいまし。昨日はお疲れさまでした。
またゆっくり京都散策しようね。
by gogolotta | 2006-03-12 22:45 | 和ごころ | Comments(6)

つれづれに日々のことなど。たま~にですが。


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