心のままに詞の匂いゆく

   -美を求めれば美を得ず、美を求めざれば、美を得る-

 志村 ふくみ 『ちよう、はたり』 

「ちよう、はたり」とは機音のこと。人間国宝になった染織家の著書です。




私の実家の辺りは、古くから紡績で栄えた街でもあり、織機の音がかつては生活の一部でした。もちろん機械の音で、「カシャン、カシャン」と響く規則正しい音は、特に雨の日になるとどこかもの哀しく響き渡っていました。
紡績産業が廃れ、次第にその音を聞く機会はなくなりました。それを今懐かしく、少し寂しく思い出しています。

開いた瞬間から、宝物のような本だと思いました。この本に出会うことができて幸せだ、と思わせる本はそう多くはありません。
聞いた事のない日本古来の色の名前、四季を織り成す美しい言葉の数々を、心に染み入るように読み進んでいます。
人は、何かを読んだり、見たりしたときに、自らの言葉でもってその情緒を惹き起こすのだといいます。すなわちその余韻、余白の生み出す確かな美しさというものが、この本にはあるように思います。
身に纏う着物や器は、多くを語らず「余りの心」を残さなければならない、と彼女は言います。長きに渡り、研鑚を積んできた人だからこその言葉なのでしょう。
「物を作ることは汚すこと」と常に人間の傲慢を羞じ、糸と、自然と真摯に向き合う心は、そんな余韻を生み出すのに十分な機知を生み出しています。

日本には古来から、襲という色目があります。移ろう自然と、人の心を映す色の美学は、華麗で色彩豊か。
古くから伝わる伝統は、今の私達にとっては新鮮な驚きであり、また最も洗練された芸術にうつります。
こんなにも色を表す言葉が多い国は、他にないでしょう。どれも美しい言葉で彩られています。
大和ごころは歌ごころ。
遠回りし、模索した末にたどり着くのは、そうした言葉を、機微を生んだ先人達の知恵であり心なのかもしれません。
梅と桜のうすべに色はけがれなき嬰児の肌の色というのは、鮮やかな驚きでした。
余韻に浸りながら、一言ひとこと慈しむように、少しずつページを捲っています。
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★今日の晩ごはん★
f0001378_2305657.jpg肉や魚がなんにもなかったので、スルメでお好み焼きを作りました(^-^;
ちょうど撤撰で戴いたのがあったので・・・。
白菜と舞茸で中華風サラダも作ってみました。ヘルシーですか?
お好み焼きを二枚も食べてたら、全然そんなことはないんだけどね~・・・。
蜜柑はご愛嬌♪ 冬にはいつも籠盛りで常備してます。
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Commented by shoichi at 2006-01-10 12:47 x
何だか、文学みたいな難しい話やな~、って思って読んでいたら、オチはやっぱり食い物ネタ。なんかホットしたわ。でも、美味そう、あのお好み焼き...。
Commented by gogolotta at 2006-01-10 21:33
☆shoお父さん
オチって・・・(^-^; たまには真面目になることもあるんですけど、なりきれないんですね(笑)
by gogolotta | 2006-01-09 23:06 | 本の栞 | Comments(2)

つれづれに日々のことなど。たま~にですが。


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