1.17

f0001378_2243221.jpg今年もこの日を迎えました。
私もなんとかまだ生きてるんだな・・・。





11年前の1月17日。今日と同じ火曜日に起こった出来事を、今でもはっきりと覚えています。
その時感じた揺れも、体で記憶しています。
神戸で暮らし始めて9ヶ月、私は学生寮にいました。
物が散乱して塞がれた部屋のドアをこじ開けて逃げ出し、寮生達とロビーで余震に耐えながら見た光景。
電気がストップし、暗闇に包まれた夜明け前の街を照らすのは、火事の炎とサイレンの回転灯、それから不気味な赤い月でした。
あんなに朝が待ち遠しかった夜はありません。

夜が明けてからも、ほとんど情報を得られなかった私達は自分のみに何が起こっているのか、全く理解できませんでした。
公衆電話から実家の母親に電話をし、そこから逆に情報を得るくらい、分からないことが多すぎました。
唯一の情報源であるラジオからは、余震の震度と亡くなった人の名前が続いていました。街は奇妙な程静かでした。
「TIME」でその後、落ち着いた市民の態度が賞賛された記事を見ましたが、何かの感覚が麻痺したように、誰もがじっと平静さを保ってるに思えました。
私も、不思議と恐怖を感じることがなく、その日の夜に「この天井が次の余震で崩れたら、死ぬかもしれない」とぼんやり思った程でした。
本当の恐怖は、翌日やってきました。
翌朝の避難命令による強制退去で、寮にもいられなくなり、どの避難場所も入りきらない程の人で溢れ返っていたのを見て、私は寮生数人と一緒に実家に帰ることにしました。
電車の動いている駅まで徒歩3時間。その途中で、昨日まで通っていた自分の学校が崩れ落ちているのを目の当たりしました。
「私達の身に大変なことが起こっている」
実際に目にするすべての出来事が、作り物のように現実感がなかったんですよね・・・。
最初の衝撃は、梅田の駅に降り立った時です。
何もかもが日常と変わらず、何キロも離れていない場所から来たはずの私達には、夢を見ているような感覚に襲われました。
崩壊した建物も、亀裂の入った地面も、倒れた電柱も、そこを歩いてきた自分達も、全部夢だったらいいのに・・・。

そうしてたどり着いた実家のテレビで、初めて長田の大火や高速道路の崩壊を見た衝撃と、後から襲ってきたものすごい恐怖。
「あんな場所から来たの!」と寮の友人と呆然とするばかりでした。
『大震災』を実感した瞬間でした。
「東海地震がおきる」と聞いて育った私が、それよりも先に神戸で震災に遭うとは夢にも思いませんでした。


f0001378_2253583.jpgでも震災で体験したのは、それだけじゃありません。
死は誰にも平等なこと、日常ほど恵まれた環境はないこと。
そして、あんなにも人の優しさに触れることができたのは、大きな喜びでした。
半日かけて差し入れられたおにぎりの味。
震災をきっかけに仲良くなった寮生や、実家に電話をくれたたくさんの知人や友人達。
正直、こんなに自分を心配してくれる人がいたとは思いもかけませんでした。自分のために泣いてくれた人の温かい気持ちを、一生忘れることはありません。
今までもこれからも、この日を思い出すと、何があっても頑張ろうと思うことができます。
今こうして生きている以上に大切なことはありません。それが私の希望の灯なんです。


★はるかのひまわり★
はるかのひまわり
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Commented by kuro at 2006-01-17 23:19 x
あの日、京都は震度5でした。
振動でアルミサッシが勝手に開いていくのを
飼い猫と一緒にぼんやり眺めていました。

>今こうして生きている以上に大切なことはありません。

そうだね。
生きて、穏やかに食べ物を味わえることは、とても幸せなことだと
最近自分も思います。(笑)
Commented by gogolotta at 2006-01-17 23:26
☆kuroにぃ
>飼い猫と一緒にぼんやり眺めていました。
震度5も味わったことがないのに、震度7をベッドにしがみつきながら体験しました。
>食べ物を味わえることは、とても幸せなこと
そうなんですよ! あの夜食べた、冷たい一個のおにぎり以上のごちそうはないですね~。ほっとしましたよ(^-^)
Commented by ゆーこ at 2006-01-18 09:23 x
あの瞬間は何が起こったのか全くわからなかったね。
私はトイレに行こうかどうか迷ってて目が冷めてたんだけど、
最初の揺れで、「すぐおさまるだろう」って思ったんだけど・・・。
気が付いたら仏壇の中だったよ(笑)
いまでは笑えるけど、下手したら仏壇の下敷きになってたなぁ。
扉が開いてくれたから助かったけどねぇ。
あと、布団の中にいたのも幸いだったな。
ついこの間のように思えるけど、時間が経つのは早いね。
Commented at 2006-01-18 09:23 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by candyleilei at 2006-01-18 09:47
震災でご家族を失われた方が、昨日のセレモニーで
「震災当時は涙も出なかったけれど、やっと泣ける余裕がやっと出てきました。」とおっしゃっていたのが印象的でした。
私達にいつ起こるかもしれない災害。
でも、昨今のテレビで防災グッズを面白おかしく宣伝したり、
他人事のように報道をしていることをとても残念に思います。

「はるかのひまわり」以前TVで拝見し、涙が止まりませんでした。
ひまわりの姿に励まされる方もおおいとか。
これからもみなさんの心の中に咲き続けますよう・・・。
Commented by gogolotta at 2006-01-19 00:13
☆ゆーこちゃん
ほんとにね、ふとんにもぐってたのは幸いだったし、物も飛んでくるから危険だったよね・・・。
時が経つのは早いな(^-^;
Commented by gogolotta at 2006-01-19 00:15
☆ candyleileiさん
>やっと泣ける余裕がやっと出てきました
そうですね・・・。なんとなく分かる気がします。
「はるかのひまわり」は、図らずも近所で起こった出来事なんですよ。
種を今年は蒔こうと思います。
by gogolotta | 2006-01-17 22:12 | ひとりごと | Comments(7)

つれづれに日々のことなど。たま~にですが。


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