カテゴリ:映画おたく( 72 )

ミス・ポター

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「ミス・ポター」とは、世界中で今なお愛され続けている『ピーター・ラビット』の生みの親、ビアトリクス・ポターのこと。
ほら、キューピーマヨネーズのCMでもお馴染みです。

動物と絵を描くことが大好きで、絵本を出版するのが夢。
ヴィクトリア時代のイギリスで、ビアトリクスの様な良家のお嬢様が、仕事をするなどもっての他だった時代に、親の縁談を断り続けながら彼女のように32歳まで独身を通すことは、どんなに稀だったか・・・。
32歳、独身!
・・・身につまされるというか、どっかで聞いた話というか(爆)
持ち込んだ出版社でついに夢が実現することに!
会社経営者の末弟ノーマンが担当することになると、ビアトリクスの絵にすっかり惚れ込んだ彼とともに、絵本を世に送り出します。
それが、ご存知のように大ヒット。続編もでるようになり、ビアトリクスは売れっ子作家になります。
ノーマンの母や姉とも仲良くなったビアトリクスは、一方でノーマンと恋に落ち、結婚の約束をしますが・・・。
「商売人と結婚する」ことに、両親は猛反対。
封建的なこの時代なら無理ならぬことですね・・・。
なかなか折れない娘に、「夏の間は離れて暮らし、それでも愛が冷めなかったら結婚してもよい」と提案を持ちかけます。
夏のポター家は、例年湖水地方の別荘を借りるのが日課。
旅立つ日に、突然の雨に濡れながら駅でビアトリクスを見送るノーマン。
互いの愛を手紙に綴りながら幸せをかみ締める恋人たちに、運命はあまりにも唐突で残酷でした。

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ビアトリクスは空想(というか妄想)が大好きで、ピーターに話しかけたりするんですが、映画の中ではアニメになったピーターが動いたりします。それが可愛い!
ビアトリクス役のレニー・ゼルヴィガー、ノーマン役のユアン・マクレガーとあっては、この地味ながら格調高い物語も存分に楽しめます。
『ムーラン・ルージュ』以来ユアンの歌声にメロメロなので、歌うシーンは嬉しかった~。
駅のホームで初めてファーストネームを呼ばれたあの笑顔、とってもキュート♪
32歳で独身でも、こんな素敵な初恋なんて~。

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映画の中で、湖水地方が何度も出てきます。
とっても美しい景色。「ピーター・ラビットの住むところ」とも言われますが、これはこういうことだったのか。
一度は訪れてみたいです。ほんとにあの湖や丘陵が綺麗なんですよ。
ビアトリクスがひとりで買った農場の家も素敵。
ああいう家に住みたい!
周りの農場も開発の手から守るために何エーカーも買い、本人が亡くなるとナショナル・トラストに寄付されたそうです。
こういうイギリス映画は地味ですが、私は大好きです。
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by gogolotta | 2007-09-20 21:20 | 映画おたく | Comments(10)

厨房で逢いましょう

『厨房で逢いましょう』なんて、素敵な言葉♪

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天才だけど、見かけは冴えないシェフ・グレゴアが、人妻エデンに恋をした。
彼女は毎日通うカフェのウエイトレス。
じーっと見つめるグレゴア。かーなり怖い・・・。
エデンの娘レオニーを助けたことがきっかけで、レオニーの誕生日にプラリネのケーキをプレゼント。

「楽園にいるような味」
エデンもチョコアレルギーのレオニーもうっとり。
そんな美味しいチョコ食べてみたい~!!
エデンはその後、グレゴアの厨房に押しかけてきて、試作品をこっそりぺろりと平らげて絶賛!

それに味を占めたエデンは、グレゴアの厨房に頻繁に来るようになって、急接近する二人。
夫が友人と遊ぶ火曜が、ふたりの幸せのひと時。
グレゴアは彼女に料理を食べさせることに喜びを感じ、エデンは「エロティック・キュイジーヌ」を食べることに幸せを覚える。

でも、グレゴアがどんどんエデンを励みにものすごい料理を作るようになっても、エデンのほうは夫とますます仲良くなるという・・・。
その夫、友人から妻が料理人と密会しているという噂を耳にし、怒り心頭。
グレゴアのレストランにやってくるものの、あまりの甘美な美味しさに感動!

そんなに官能的に美味しい料理、興味があります。
お腹をみたすことは、心まで満たされること。
食事する姿って、ちょっと官能的。

夫はグレゴアから引き離そうと旅行に誘い、意気消沈のグレゴア。
料理もすっかりまずくなります。
一方のエデンは、待望の妊娠をしますが、夫の友人はお腹の子の父親をグレゴアと揶揄。
嫉妬で狂った夫は、暴れまくって無茶苦茶。
レストランの中を怖しまくり、一番価値の高いワインまで粉々に。
なんてもったいない!

ここまではたいがいエデンの品の悪さにうんざりしてたんですが、こっからがびっくり。
暴力夫に追い掛け回されたグレゴアは、なーんと木の上から夫の上にドスン。
不謹慎ながらちょっと笑ってしまいました。
ラストはちょっと和みました。
暗ーい雰囲気ですが、笑えます。しかもシュールな笑い。

グレゴアの料理、食べてみたいな~♪
チョココーラソースってどんな味なんだろう。ただ混ぜたらできるかな。
食いしん坊にはたまらない映画でした。
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by gogolotta | 2007-09-04 11:07 | 映画おたく | Comments(4)

シッコ SICKO

そろそろお馴染みになったマイケル・ムーア。
『シッコ』を、これがアメリカ人が撮るから面白い! いや~、痛快。

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観てたらほんとに、アメリカの医療はテロより怖い。
・・・というか、「世界一」と勘違いするアメリカの、最新鋭の医療がこんなんなら、テロとしか思えない・・・。

国民皆保険のかいアメリカ。
自分でお金を払って保険に入らないと、べらぼうに高い医療費を請求される!
6人に1人が保険に入ることも出来ず、怪我をしようが病気をしようが黙って耐えるのみ。

指を二本切断した男性の場合。
「どっちの指を選びますか?」

考えられない・・・。
この国の乳児死亡率の高さといったら!!
ほんとに先進国?

しかし、保険に入ったからといって安心は出来ません。
治療を受けようとしても、保険会社はいろいろ難癖をつけて払いません。
彼らの雇った医者が「こいつには保険払わなくてもいい」って言えば、ボーナスがもらえる!
癌の治療も「実験的」「必要ない」って、そりゃないだろう。

アメリカとの比較で、西側諸国がでてきます。
国境を越えるカナダは、医療は無料。
なので、不正をしてでもカナダの医者に通う人が後を絶たない。
アメリカと仲良しのイギリスも、医療はタダ。
フランスにいたっては、もし出産したら政府からいろいろ世話をする人が派遣されてくる。
もちろんタダ。

アメリカが敵国とみなしたキューバだって、治療はタダだし薬もアメリカの何十分の一。
キューバ人、アメリカ人に親切だったよ?
なんで国民皆保険が、「社会主義」なんだ!!

クリントンの医療改革が潰されて久しいけど、これを観てアメリカ人はどう思うのか?
野菜とフルーツ食べて、運動して痩せる・・・だけの問題じゃないでしょう。

日本も他人事ではない。
医療費は確実に上がってる。
社会保険の本人負担は1割から3割へ。
医薬分業でコスト高。老人の有料へ。
税金が高くても、出産費用も手術費用もタダだったりしたら、きちんと納得できる。
役人が保険料や年金を横領だなんて、もってのほか!

・・・何を信用したらいいんですかね。
アメリカにはぜーったい住みたくないな。
でもこのままだと、日本もアメリカみたいになっちゃうよ。
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by gogolotta | 2007-09-04 09:51 | 映画おたく | Comments(7)

マルチェロ・マストロヤンニ 甘い追憶

私の大・大・大好きなマルチェロ・マストロヤンニ。
誰もが愛さずにいられなかった、世界のラテンラヴァー。

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『マルチェロ・マストロヤンニ 甘い追憶』と題して、没後10年を記念し、バルバラとキアラの二人の娘を中心に、彼に関わった人々が彼を懐かしむ映画が公開されています。
実に160本を超える映画と多くの舞台で活躍し、世界中で愛された稀代の俳優。
私は、彼の歳の取り方が素敵だと思っています。
妙に若く見せることもなく、そのまま年齢を重ねていって、おじいさんになった時にはとても可愛く映りました。
でも、若いときも歳を取ってもあんなにたっぷりの男の色気~、きゃ~♪

怠け者と言われながら、実は仕事がないと不安になるくらい繊細で、結婚してからも数々の女優と浮名を流し、最後には振られてしまう優しい性格。
驕りや名声にふんぞり返ることなく、常に謙虚だったマストロヤンニは、だからこそ多くの国々で受け入れられたのでしょう。
しきりに「田舎者だ」といわれてましたが、その素朴な感じがまたいいんだな、これが。
私もメロメロです(笑)

映画の中では、今まで知らなかったことも語られます。
思わず笑ってしまったのは、意中の女優とキスしたいが為に、わざとNGと出して何度もテイクを重ねたこと。
まるで少年のやることみたいです。
まあ、そんなことも相手が彼なら本気で怒る女性なんて、あんまりいないでしょう。
そういう男性は、稀だな~。
キアラも劇中で語ってたように、声が独特で好き。
その声で歌も歌ってましたね~。

160余本んもうち、私が観たのはほんの数分の一に過ぎません。
どの映画も全然違う内容で、異なった役柄。喜劇から悲劇まで、実に様々な役を演じていました。
どんな映画でも、彼が立ってるだけで様になることを、とても驚きながら観たのを覚えています。
それはたぶんテオ・アンゲロプロスの『こうのとり たちずさんで』だったかな。
遺作となったマノエル・ド・オリベイラ『世界の始まりへの旅』が、彼の作品を初めて劇場で観た映画でした。
まだまだDVDになってる映画も少ないので、もっともっと出して欲しい!
特に一番のお気に入り『マカロニ』。
ジャック・レモンと共演した良い映画なのに、なんでなんだろう。日本でも大ヒットだったのに。
DVDが出たら、ちゃんと手元に置いておきたいと思ってます。

私の理想の男です。堪能しました♪

思わず本やらパンフやらポストカードやら買っちゃいました。
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by gogolotta | 2007-09-02 22:05 | 映画おたく | Comments(8)

リトル・チルドレン

今の自分を愛せたら、未来はきっと変えられる。

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ケイト・ウインスレットが結構好きなので、ちょっと前に『リトル・チルドレン』を観てきました。
アメリカ映画でも、ハリウッドみたいなギラギラしてなくて(たまにはギラギラもいいんだけど)、こんな感じの秀作は好みです。といいつつ、この監督の『イン・ザ・ベッド・ルーム』は見逃したままです。


ボストン郊外に引っ越してきたサラは、娘と一緒に「公園デビュー」をするが、打ち解けても貰えず居心地の悪さを感じています。やたらかみすばしい主婦たちと、こんな煩わしい人付き合いも、万国共通。
そんな彼女たちの前に、「プロム・キング」とあだ名をつけていたブラッドが登場。
やかまし主婦たちをからかうつもりだったハプニングが、サラとグレッグの運命を大きく変えてきます。

サラの夫は、年上でバツイチの企業コンサル。しかもこれが、変態ときたもんだ。
そりゃ現場を押さえた奥さんも、うんざりするはず・・・。
浮気の方がまだちょっとマシなのかも(爆)
やってることが幼稚です。

かたやブレッドの奥さん(なんとジェニファー・コネリー♪)は、美人のドキュメンタリー作家で、何にしても完璧。
すぎるほど完璧。
何年も司法試験浪人をして、妻に養ってもらってる彼は肩身が狭い。
昼間は子守をし、夜は図書館で勉強・・・してないじゃないか。
スケボー少年を見て時間をつぶす主夫なんて、いじらしい。でも勉強が嫌で逃げてるだけの、こちらも子供。

サラとブラッドを軸に、もうひとつの軸となるのが性犯罪者(いわゆるロリコン)ロニーです。
出所してきて、母親と一緒に住むようになるんですが、近所は不安と困惑でいっぱい。
そして、その彼を執拗に追い回す元警官でブレッドの友人ラリーは、度を越えて嫌がらせをしていきます。
こういう凶器って、一番怖いと思う。
自分が正しいと思い込んでるから、何をするか分からない。
実際、犯罪者のロニーよりも怖かったです。
それが引き金で、悲劇が起こってしまうんですが・・・。やりきれない気持ちでいっぱいです。
この映画で一番印象に残ったのが、ロニーの母親。
どんな息子でも、自分にとってはかけがえのない存在。
小さな背中で息子をかばい続ける母の愛に、脱帽です。

普通の不倫を続けるサラたちでしたが、一緒に逃げようとしながらも、意外な結末を迎えます。
もともと、寂しく虚しい生活に疲れた頃で、ふたりが惹かれあうのはごく自然の成り行きのように思えました。あんまりどろくささもないし。
あまりにもきれいに片付きすぎる結末でしたが、ロニーとラリーの方もなんとか納まってよかったかな。

人間はいつまでも大人になりきれない生き物ですが、その愚かさが愛しいと思えるようになりました。
私もちょっと大人になったかな?(一体もう幾つだよ 爆)

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by gogolotta | 2007-09-01 23:58 | 映画おたく | Comments(4)

愛しの映画バトン

お誘いを受けた『愛しの映画バトン』。
いつもTBして逃げてるので、こんな嬉しいお誘いがあるとは驚きです♪
では、早速・・・。

1.年に何回くらい映画館で映画を観ますか?

年によってまちまちですが、だいたい30~50本。
サービスデーやレディースデーを狙って行くので、多くても週に2度が限界。
あんまり観る気が起こらない映画は、CSで観てます。レンタルも、会員証すら持ってないし(笑)
仕事帰りに行くことになるので、疲れてるときは行けないですね。

2.最後に観た映画は?

『ボルベール <帰郷>』
この監督の映画は好きです。

3.初めて観た映画は?

東映マンガ祭りですかね? 紙の帽子を嬉しがって被ってました。
内容は・・・覚えてないな(笑)

4.映画館では飲み食いしますか?

ほとんど毎回食べます。仕事を終えるとおなかも空くし、観終わってからだと遅いので。
でも、始まる前に食べ終えます。

5.主に誰と観にいきますか?

ひとりです。映画はひとりで観るものだと思ってます。
「え~!?」って信じられない顔しないでください(爆)

6.映画館でうれしかった思い出

うれしかった? いい映画を観られたときかな。あと、楽しみにしてる映画のチラシを見つけた時。
チラシコレクターでもあります。観ないけど貰いに行くくらい(笑)

7.映画館で悲しかった思い出

世にもつまらない映画を観た時ですね。悲しいというより、怒りを覚えます。
あと、整理券で席が前の方しかあいてなかった時は、ショックです。

8.映画館で困った思い出

新しい映画館は、席の高さも考えてるのでいいんですが、古い映画館だと私は小さいので、前の人の頭で見えないんですよね。
字幕が読めないと困ります。
あと、座りにくいシートとか・・・。腰が痛くなってしまって、映画どころじゃありません。
上映中やエンドロールの時に喋るのもやめてほしいです。しらけちゃう。

9.パンフレットは買いますか?またそのタイミングは?

ものすごく気に入った映画なら買います。
ここ何年も買ってないですね。チラシで満足です。
映画館以外でも、マストロヤンニのを見つけたら即、買います!

10.次に回す人(3~5人)


うーん、回すあてもないので(笑)
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by gogolotta | 2007-07-31 22:24 | 映画おたく | Comments(5)

ボルベール 〈帰郷〉

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もう一度、人生を愛するために・・・。
久しぶりのペドロ・アルモドバル作品。『オール・アバウト・マイ・マザー』『トーク・トゥ・ハー』 に続く最終章『ボルベール〈帰郷〉』


両親を火事でなくし、故郷ラ・マンチャにひとり残る最愛の伯母を心配しつつ、一人娘と失業中の夫を懸命に支えるライムンダ。
そんな彼女に、娘パウラの起こしたある事件が降りかかります。
必死にそれを隠そうとする最中、更に伯母が亡くなったという知らせが舞い込み・・・。
一方、葬儀に行けないというライムンダの代わりに、伯母の隣人アウグスティナと共に葬儀を任された姉のソーレは、死んだはずの母親を見たという村人の噂を耳にします。
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この監督は、女性を描くのにかけては天下一品。
描写が丁寧でリアルで、とても美しい!
男性なのに、どきっとするくらい女性の真理が分かるというか・・・。

主演のペネロペ・クルスは今までで一番輝いてます。
自分と同じ衝撃的な出来事が、自分の娘にも降りかかろうした因縁。
必死に娘を守ろうとする母性を、こんなに魅力的に演じることができるんですね。
彼女は、ハリウッドよりスペインの方が生き生きしてます。

この映画に出てくる女性は皆それぞれ、たくましくてパワフル。
ライムンダがタンゴの名曲『ボルベール』を歌うシーンも、胸に迫ります。
(もっとも、一見して吹き替えだと分かるのだけれど)
母親が教えてくれた歌。
ある事件をきっかけに、隔たってしまった母。
母として娘を守る立場になったからこそ沸いてくる母への想い。
複雑だけれど痛いくらい伝わってきます。
そんなエレジーは、ぐっときます。
愛する家族がいる場所が、帰るところ。
ライムンダの母としての愛は、大きな葛藤の中で生まれたものだと思うと、いっそう感銘を受けます。

今を懸命生きる女性たちの生き様は、ものすごくエネルギッシュなんだけれど、潔い。
なにがあっても笑って吹き飛ばす、大らかで眩しい太陽のような女たち。
ラ・マンチャといえば男、ですが、女もものすごいです。
まっすぐなしたたかさが、愛しいくらい。
女として、見習いたいところがたくさんあります。
(どだい無理な話だけど 笑)
全ての女性に見て欲しい素敵な映画でした。

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by gogolotta | 2007-07-15 10:25 | 映画おたく | Comments(7)

あるスキャンダルの覚え書き

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少し前に観た『あるスキャンダルの覚え書き』
ジュディ・デンチとケイト・ブランシェットという二人のオスカー女優の見事な演技に慄きました。

イギリスのブッカー賞の2003年最終候補に残り、イギリスとアメリカ両方のベストセラー・リストに載ったゾーイ・ヘラーの小説が原作。
新任教師のシーバと、彼女とある男子生徒のスキャンダルを目撃したバーバラ。
ストーリーも衝撃的ながら、もっとショックなのはバーバラの本性。
厳しいベテラン教師のバーバラは、シーバに好意を寄せ彼女のことを毎日日記に書き綴るんですが・・・。
シーバの弱みを握った時から、女の友情に力関係が生じ、だんだん二人を剥き出しにしていきます。
その様子の描き方が恐ろしいくらい、リアルでぐっと引き寄せられます。
シーバがなぜそんなに弱々しいのか少し疑問も多いんですが、二人の演技力の前には吹っ飛びます。
バーバラの執拗なまでのシーバへの愛情は、同性愛を通り越した執着。
デンチのそれと対峙しても霞まないケイトもすごい。
これぞサスペンス。
バーバラの作為によってシーバのことが明るみに出て、思いもよらずバーバラ自身のスキャンダルも出てくるのです。

全く境遇も考え方も違う女性達が、お互いの欠落感と深い孤独に共鳴し、火花を散らす。
んま~、女って怖い・・・!
ほんとに嫌らしいし、醜いんだけど、悲しい生き物なんだな~。
ゾクゾク、ドキドキしながら観ました。
十分見ごたえのある映画でしたよ。

男の粘着質な悪意を観るなら、テレンス・スタンプの『私家版』がお勧めです。

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by gogolotta | 2007-06-30 21:46 | 映画おたく | Comments(5)

こわれゆく世界の中で

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『こわれゆく世界の中で』を観ました。
ジュード・ロウが好きなので。彼の演じるウィルは、都市開発をてがける若手建築家。舞台はロンドン。
10年も同棲を続ける恋人リヴと、彼女の娘ビーと一見幸せな生活を送っているように見えますが、実はこのところはそうでもない。ビーは神経症を患っていて、毎日の生活に不安を抱えるリヴとは、ぎくしゃくした関係が続いています。
そんな中、ウィルはパートナーと共にキングス・クロスに事務所を構えますが、早々に窃盗グループの標的に。
犯人を追ううちに、ある少年に辿り着きますが、彼はボスニアからの難民で母親と二人暮し。
ウィルはその母親アミラに心惹かれ始めます。

・・・観ながら退屈してきました(-_-;
未亡人アミラのジュリエット・ビノシュには、全く惹かれないので、ウィルにいまいち共感できず。
打算的で必死に生きようとする役をやったら、彼女は天下一品なんだけど、うーん・・・。
ラストまで「なんだかなー」で終わってしまいました(爆)

ロンドンはいろんな国の人たちが住んでいて、アメリカとはまた違った歴史と伝統のある「人種のるつぼ」都市。
アメリカと違うのは、そこはまさしくヨーロッパの一部であって、ウィルはまさしく英国人。スウェーデンから来たリヴやボスニアから生き延びたアミラとは違う世界で生きているんだな~。当たり前だけど。
現実を必死で生きる彼女たちの間を、ふらふら渡り歩いてるウィル。
最後は「正直に言えば何でも許されるの?」と思ってしまう、ささくれだった私です・・・(爆)


ところで、これは『イングリッシュ・ペイシェント』や『リプリー』、『コールドマウンテン』の監督の作品でしたね。
どれも消化不良だった気が・・・嗚呼・・・。設定や舞台、役者とどれも揃ってるのにな・・・。
もっとロンドンを見たかった!
キングス・クロス、テロに標的になった駅でしたね(汗)

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by gogolotta | 2007-05-30 23:35 | 映画おたく | Comments(3)

クイーン

やっと観ました『クイーン』。今年のアカデミー主演女優賞を勝ち取った、ヘレン・ミレンに圧倒されっぱなし。
最初のシーンから、あの威厳と鋭い眼差しに、思わず背筋が伸びました。

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1997年8月30日、ダイアナ元妃がパリで交通事故に遭い亡くなった衝撃の夜から、葬儀までの1週間。
チャールズ王太子と離婚した彼女は、最早王族の一員ではなく民間人。エリザベス女王にとっても王族にとっても、本来なら公式にすることなど何もなく、ただ残された二人の息子を案じることが大事だったはずでした。
予想外の国民の悲しみが、やがて女王に対する怒りに変わるまでは・・・。

あれから10年も経つんですね。本当に衝撃的なニュースでした。
「人々に愛されたプリンセス」でしたが、その事故の前は、いろんなゴシップを書かれていた彼女とその周辺。
事故に遭った時も、恋人と一緒だったんでしたね。
彼女の物語はこれまでに幾度のなくクローズアップされていましたが、エリザベス女王に焦点を当てたものは、あまりありませんでした(さすがに)。

女王は神と国民に身を捧げる者。歴史と伝統の守る中で、背負うものの重さに耐えながら、威厳を保つことのなんと大変なことか。その昔、継承権が男子優先だった頃「弟が生まれればいい」と願っていた少女が、若くして国を統べる立場になった時、ものすごいプレッシャーと戦ったんだろうな・・・。
それが今や立派な女王様。常に「公」としての立場を理解し、忠実だった彼女にとって、ダイアナはどう映ったことでしょう。
不仲をささやかれてもおかしくはないけど、どちらが正しいと問う議論はナンセンス。
いくら国民の願いでも、儀礼を無視して半旗を掲げさせるって、ちょっとなんだかな~と思ってしまう。
この映画を観てると、どこまでノンフィクションなのか分からなくなります。
でもこうだったんだろうな、と思わせるには十分な内容。

ダイアナに冷たいと一気に王室廃止の声が高まる中、就任したてのブレア首相が、女王を擁護しようと頑張る姿が清々しくてよかったです。
王室のないイギリスなんて、たぶん天皇家のない日本と同じくらい考えられないもの。
「税金の無駄」なんて批判も絶えずあるけど、そんな人でも目の当たりにして言う勇気のある人は少ないに違いない。
でもこの首相の奥さんも、演説を考える彼のスタッフも、ものすんごく感じ悪い。
「一回殴らせろ~!」と思ってしまった(爆)
いつの間に女王のシンパ?(-_-;
トニー・ブレアは労働党から首相になったのに、確かに不思議な首相。
(本物は『ビバリーヒルズ青春白書』のスティーブに似てる)
彼と女王って、チャールズよりもいい「親子関係」みたい。

ラストで、女王がブレア首相に「新聞に叩かれる日は突然くる」と言うシーンがありました。
重い言葉ですね(^-^; 最初の高い支持率も、気がついたら急落。ついには辞任することになりましたね。

一番うるうるっときたのは、女の子が女王に花を差し出すシーンです。
厳しいバッシングの中で、またダイアナに宛てた女王批判のメッセージを見た後で、それがどれだけ嬉しい出来事だったか。よかったな~、と泣けてきました。
すごく深い作品でした。

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by gogolotta | 2007-05-22 23:34 | 映画おたく | Comments(4)

つれづれに日々のことなど。たま~にですが。


by gogolotta
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